Gnofract 4Dを使う

Gnofract 4Dの画面レイアウトは意図的にシンプルにしてあります。画面のほとんどは操作中のフラクタルのビューポートで占められています。デフォルトのフラクタルはマンデルブロ集合です。ビューポートを直接クリックするとズームできます。ツールバーには頻繁に使われる機能がまとめてあります。より複雑なプロパティ設定は、メニューバーから呼び出されるダイアログボックスで行います。

最初は遊んでみてください。いろいろ試した後はフラクタルを生成するのはたいした作業にはならないでしょう。気に入らなかったら、"Undo"ツールをクリックして前に戻せます。

フラクタルをインタラクティブで

どのフラクタルも無限に複雑なイメージです。メインウィンドウで断面を見ることができます。ウィンドウ上で左クリックするとズームインとなり、より精細な部分が表示されます。拡大したい部分をクリックしてください。クリックして左ボタンを押したままマウスをドラッグすると、その部分に白い枠が現れます。左ボタンをリリースすると白枠で囲まれた部分がズームインされます。
ズームアウトして前の大きさに戻すには、右ボタンをクリックします。Homeキーを押すと現在編集しているフラクタルのすべてのパラメータが初期値に戻ります。Control + Homeではズーミングのみリセットします。ツールバーのUndoボタンを使うとひとつ前のステップに戻ります。マウスの右ボタンにはクリック→ドラッグの機能はありません。
マウスの中ボタンをクリックすると xz と yw 軸で90度回転します。今見ている絵がマンデルブロ集合であれば、中ボタンクリックでジュリア集合になります。その逆も同様です。他の集合の場合は奇妙な形になるでしょう。注:中ボタンクリックを2回続けても元の絵に戻るわけではありません。クリックした点でセンタリングがなされるので、クリック2回により、摂動を与えられ変形したマンデルブロ集合の絵になります。
矢印キーで上下左右にパンします。Cotrolキーを押さえたまま矢印キーを使うと、すばやく移動します。Shiftキーと矢印キーでは他の2つの次元で視点を移動します。画像は変形したように見えます。Shiftキーを押さえたまま左クリックすると、その点を中心としてセンタリングされます。

4Dではない数式
いくつかの数式は4Dの操作をサポートしていません。(元々FractintやUltraFractal用に書かれた式が典型です。Gnofract 4Dはこれを #zwpixel という変数を使っているかどうかで見分けます。)このような場合は、他の次元での回転、ワープ、中ボタンクリックの機能が無効になります。

ファイルの操作

Gnofract 4Dは数種類のファイルを使います。それぞれのファイルの用途は以下の通りです。
ファイルのタイプ拡張子説明
パラメータ.fctパラメータファイルは、特定のイメージを作成するための設定を収録した、小さなテキストファイルです。例えばX軸から見た位置や、使われているカラースキームの設定情報などが含まれます。パラメータファイルには数式のリストが保持されますが、式全体が書かれるわけではありません。そのため、新しい式を書き上げてその式用のパラメータを共有したい場合は、数式ファイルも配布する必要があります。Fractintにはこの目的のために .par ファイルがあり、UltraFractalでは .upr というファイルがあります。残念ながらGnofract 4Dはそれらのフォーマットの読込みができません(今のところ)。
画像.jpg .pngGnofract 4Dは出力画像として JPEG と PNG をサポートします。画像ファイルにはフラクタルの情報は一切入っていません。そのため別の視点から絵を展開したい場合は、パラメータファイルも保存しなければなりません。Gnofract 4Dは画像の読込みはできません。保存のみ可能です。File > Save Image で画像が保存できます。高画質の出力には PNG をおすすめします。サイズが問題の時だけ JPEG を考慮すればいいでしょう。というのは、JPEGではフラクタルの精緻な部分がぼけてしまうからです。
数式.frm .ufm数式ファイルはフラクタル計算式を集めたものです。各々の式は特定のフラクタルを描くためのアルゴリズムの記述であり、単純なプログラミング言語で書き表されます。(言語の詳細については「数式言語リファレンス」をご覧ください。)Gnofract 4DもFractintも拡張子が .frm のファイルを使います。UltraFractalの場合は .ufm です。通常、Fractintで動く式はGnofract 4Dでも動きます。Gnofract 4Dで動く式はUltraFractalでも動きます。ただし順序が逆の場合は必ずしも動くとはいえません。
色塗りのアルゴリズム.cfrm .uclこのファイルには、フラクタルに色をつけるための式が集められています。Gnofract 4Dは色塗りのアルゴリズムと、最終的に生成されるイメージを書き出す式とを結びつけます。(このアプローチはUltraFractalと共通しています。- Fractintではビルトインのアルゴリズムに限定されています。)色塗りのアルゴリズムはフラクタル計算式と同じ言語で書かれます。UltraFractalにおける拡張子は .ucl です。UltraFractalのファイルでGnofract 4Dが読めるものがありますが、今のところそんなに多くはありません。
グラデーション.map .ggr .ugrグラデーションファイルは、数式によって出力された数値を、見た目に美しいものに変換する色のリストです。グラデーションは現行ではフラクタルの中だけに保存されます。別ファイルでの保存ではありません。GIMPはグラデーションファイルの拡張子として .ggr を使います。Fractintは自前のファイルとしてより単純な .map を使います。UltraFractalは .ugr です。いずれのファイルも複数のグラデーションを保持します。

ツール

オートズーム

オートズームは、自動的にズームインを繰り返してフラクタルの面白い部分を探します。毎回(多少ランダム化して)違う色で色数の一番多い象限を選びます。この機能をスタートさせたらコーヒーでも取りに行きましょう。戻って来たらオートズームが見つけたものをご覧ください。あるいはお好きな部分をクリックしてオートズームを導いてあげましょう。イメージが極小までズームされたところで終了します。デフォルトの最小サイズはGnofract 4Dが提供できるもっとも高精度のサイズです。

エクスプローラ

エクスプローラはきちんと見えるフラクタルを探すのに役立ちます。大きい部分が真ん中に、その周りを「サブフラクタル」が囲むように画面が分割されます。真ん中のセクションがメインの画像です。このセクションに対しては、クリックしてズームする、色を変えるなどの通常の操作ができます。他の画像はメインの「ミュータント」です。ミュータントは最初は元のパラメータから形成されますが、メインに変更がある度にほんの少しランダム化されます。すべてのミュータントが更新されます。もし気に入ったミュータントがあれば、それをクリックします。するとそのミュータントが中央に表示されその後のメインになります。周りの12個のミュータントは新しいメインのパラメータに基づいて形成されます。満足できる結果が得られたら、エクスプローラボタンを押して通常の操作に戻ります。
ツールバー上のシェイプと色のスライダーは、ミュータントを標準イメージからどのくらいかけ離れさせるかを決定します。もしシェイプが100に設定されたらほとんど認識できないでしょう。ゼロの場合はメインとまったく同じ形になります。色についても同様です。100であれば違う色、ゼロであれば同じ色が維持されます。

数式ブラウザ

数式ブラウザによって、ファイルから読み込まれたフラクタルの式、色彩関数、グラデーションを一覧することができます。(中央の数式リストから)式を選ぶとSourceタブで開かれるウィンドウにソースコードが表示されます。選んだ式を使用するためには Apply(適用)ボタンを押します。Applyボタンは式のパラメータをデフォルト値に戻すのにも使えます。OKボタンを押してもその式の適用ができます。OKボタンは新しい式を適用してウィンドウを閉じます。
ヒント:

  • 新しい数式ファイルを読み込むには File > Open... を選びます。
  • 数式がGnofract 4Dの外で変更されディスクにセーブされた場合は、Refresh(更新)ボタンを押します。Gnofract 4Dはその式を再読込みします。
  • 数式にエラーがあると、ApplyとOKボタンは無効になります。Messagesタブのウィンドウをチェックしてどういうエラーか調べてください。

ディレクター

ディレクターによってフラクタルの動画が作成できます。最初に動画が切り替わるフレームをキーフレームに設定します。それぞれのキーフレームで、継続の長さ、スチル画像がどのくらい動画内に留まっているかを設定します。(長さはフレーム数で与えます。)そして、いくつかある補間のタイプを決めます。Renderボタンを押すとディレクターはすべてのフレームで画像をレンダリングし、指定されたディレクトリに結果を保存します。transcodeツールがインストールされていればビデオを生成します。
ヒント:

  • 連番画像ではなく最終的にビデオを生成したい場合は、ImageMagickのサポートを含んでコンパイルされた transcode ツールが必要です。
  • アニメーションの設定は、後々も使えるようにファイルで保存できます。
  • レンダリングはいつでも止めることができます。アニメーションの設定に変更がなければ(例えばレンダリングの前に設定がセーブされていれば)、ディレクターは前回停止されたところからレンダリングを再開します。

色のランダム化

グラデーションを、ランダムに生成された新しいグラデーションに置き換えます。

ペインター

ペインターのダイアログでは、変えたい部分をクリックしてフラクタルの色を変えることができます。まずセレクタで色を選びます。次にグラデーションの対象の色の部分をクリックします。対話的に作業したい場合は、"Painting"ボタンをオフにしてください。

ツールバーのボタン

ツールバーの左端に小さなウィンドウがあります。この部分に角度や位置を変える時のプレビューが表示されます。ボタンを使って画像に変更を加えるとどうなるかを事前に見ることができます。
プレビューウィンドウの横の8つのボタンは、10個のパラメータに対応してビューを定義します。xy から zw までラベルがついている丸いボタンは、その軸が作る平面における回転に対応しています。●をドラッグして変更します。ドラッグが終わったところでフラクタルが更新されます。zw の角度の変更は見えていないようでもちゃんと動いています。他のディメンションで回転してからでないと効果が見えません。
正方形のボタンは、パンと wrp (別名ワープ)の動作でビューを変更します。パン・ボタンは現在のビューをカメラを回転させたように見せます。ワープ・ボタンをクリックすると、元の画像を他の2つの軸に沿って移動した画像に変形します。ボタンの内側でクリック&ドラッグしてプレビューウィンドウで確認してください。気に入った絵になったらマウスボタンをリリースします。
ワープメニューは、Gnofract 4D用に書かれたものではない数式の場合でも、4Dモードで使えることがあります。現在のフラクタルが複素数のパラメータを持っていればワープボタンが有効になります。そのような式を選んだ場合、そのパラメータの値は Z と W の座標のピクセルにセットされます。これは選ぶパラメータが4Dになることを意味します。注意: 明示的にパラメータの値を指定した場合は無視されます。
深くする」ボタンで反復回数を増加させ周期性チェックをきつくすることができます。自動深化や自動トレランスがうまく行っていないような場合に使います。「内側」かもしれないピクセルの追求を止め外側であるとみなし、画像がよりきれいに見えるようになります。ただしレンダリングに時間がかかります。イメージサイズの情報は見た通りです。プルダウンメニューに表示されないサイズが必要な場合は、「設定」ダイアログを使って指定してください。
元に戻す」と「やり直し」ボタンの役割は明らかですね。「元に戻す」は何回でもさかのぼれます。スクリーン上の位置だけでなく、色などのパラメータの変更に対しても有効です。最後に「エクスプローラ」ボタンでエクスプローラモードのオン・オフを行ないます。エクスプローラの項を参照してください。

フラクタルの設定を変える

Gnofract 4Dでは、いろいろな設定は「フラクタルの設定」「グラデーション」「設定」に分かれます。フラクタルの設定グラデーションは、そのフラクタルのプロパティを保存する .fct ファイルに書き込まれます。一方、Gnofract 4D全般の振る舞いを決定する設定は ~/.gnofract4d というコンフィグファイルにセーブされます。次回Gnofract 4Dを起動したときも設定内容が再現されます。

フラクタルの設定

数式セクションでフラクタルの計算式を選択したり、その式が持つパラメータの値を設定できます。数式ブラウザから式を修正することができます。反復の最大回数を定めることによって、どの時点で計算を止め、そのピクセルにおける数値がジュリブロ集合の内側にあるとみなすか、あるいは既に外側にあるのかを決定します。このペインにある他のパラメータはフラクタルのタイプによって様々です。
外側ページは、フラクタル集合に属さないポイントに何色をつけて描画するかを決定する関数をコントロールします。同様に内側ページは集合の内側の色をコントロールします。
ロケーションの入力欄で、スクリーンの中心の座標と画像のサイズが変更できます。角度の入力欄で回転の角度を指定します。0 から 2 x pi の間の数値だけが変更に有効です。この範囲以外の数値は有効範囲内に「ワープ」されます。
変換ページでは画像にもたらされる変換の式をコントロールします。リストされた変換式が持つパラメータもここで指定します。
全般ページには他のページに入らない、いくつかのオプションが収録されています。Y軸のフリップでY値の増え方をトップ→ボトムに変更します。(デフォルトはボトム→トップです。)周期性チェックとは、フラクタルの生成を高速にする方法です。最終的にフラクタル集合の内側に属する点は、ループの中で繰り返し同一点の周りをジャンプします。(周期性を帯びます。)これに注目してそのような点の計算を省略できます。内側にも色をつけたい場合は、ふつうはこの機能を無効にしたくなると思います。そうしないとヘンな画像になります。許容差は、周期性検知を目的として数値の許容差を定めます。ある点における計算結果の差がどのくらいであれば「その点を同一のものと見なすか」を決める数値です。Editコマンドの「設定」で「自動トレランス」が有効になっていれば、許容差は自動的に調整されます。
タブを使って、フラクタルを表示するための色のリストが編集できます。より複雑なグラデーションを編集する場合は、GIMPのグラデーションエディタが使えます。

設定

画像
高さは画像の大きさをピクセルで指定します。アスペクト比を維持がチェックされていると、幅か高さの一方が変更された時、他方も元と同じ比率になるように自動的に変更されます。自動深化が有効になっていると、Gnofract 4Dは画像が正しく表示されるには反復回数がどのくらい必要かを類推します。同様に、自動トレランスは画像が高速かつ正しく表示されるように、周期性チェックの設定を調整します。アンチエイリアスを有効にすると画像はより滑らかになります。ただし時間はもっとかかります。「速い」と「最良」の違いは、速いアンチエイリアスでは同じ色の点における再計算をしないことです。処理はかなり速くなりますが、時に精細な部分が失われることがあります。
コンパイラ
Gnofract 4Dで作業を進めるためにはCコンパイラが必要です。(特定の式で計算するためのコードを動的に生成するからです。)コンパイラの設定ページで、コンパイラがある場所と渡されるオプションの指定ができます。Gnofract 4Dが問題なく動いているのであれば、これらの設定はそのままにしておくことをおすすめします。ただ、プロセッサを指定することによって、目をみはるようなパフォーマンス向上が得られる場合があります。例えば最近のAMDプロセッサであれば "-mathlon -msse2 -m3dnow"をコンパイラ・フラグに追加するなどです。(訳者注:プロセッサの種類を確かめずにやってみたら起動しなくなりました。~/.gnofract4d ファイルの該当部分を修正して元の設定に戻せます。) 式のサーチパスは、パラメータファイルが読み込まれたときにGnofract 4Dが式を探しに行くパスのリストです。
一般
スレッドの数で計算スレッドの数を指定します。通常、ハイパー・スレッドやマルチ・プロセッサのコンピュータでない場合は 1 のままにしておきます。
ヘルパー
Gnofract 4Dは場合によってはヘルパー・プログラムを起動する必要があります。なるべく gconf で指定されているプログラムを使おうとします。gconf にあるプログラムがデフォルトになりますが、もし正しくなければ明示的に指定することができます。
フリッカー
Gnofract 4Dからオンライン画像共有サービスのフリッカーに画像をアップロードできます。このページでオンラインIDを指定しておきます。

ヒント

  • もしフラクタル画像の込み入った部分をズームして「うるさく」感じるようであれば、色がもっとゆっくり変化するように修正できます。「外側」タブで変形機能を 'sqrt' か 'log' にします。あるいは「密度」を 0 から1の間の数にします。密度が 0.1 の場合は色の段階が10倍ゆっくりになります。
  • 内側」の色のメソッドが zero 以外の時、周期性チェックを無効にしないとヘンな影響を受けます。

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